HVDC遮断器への適用を目的とした直流遮断器評価装置

直流電気鉄道や実用化が期待される多端子直流送電システムでは, 短絡事故が発生した場合に回路を遮断する直流遮断器の設置が必要不可欠です。直流遮断器は事故時に数kAの大電流が流れ,同時に数100 kVの高電圧が印加されます。一方,直流遮断器を評価する際,上記の高電圧・大電流を正確に模擬する必要があります。従来の直流遮断器評価装置は,大型なインダクタが必要,低い電圧・電流調整能力,機械的部品の磨耗という問題がありました。

本研究室では, 最新の半導体電力変換技術をベースとした直流300V, 50A定格(本実験室で可能な最大容量)の新直流遮断器評価装置を設計・製作し,実験により動作原理検証を行っております。現在,数100 A/msの事故電流の模擬に成功しており,更なる大電流化・高電圧化を目指し研究を行ってます。

直流遮断器評価装置の外観