パワーエレクトロニクス回路では,パワーMOSFETやIGBTなどの半導体スイッチングデバイスを高速にターンオン・ターンオフすることが重要です。このためには,ゲートドライブ回路が用いられます。最近の高速かつ高耐圧な半導体スイッチングデバイスを駆動する場合,制御回路や電源回路との間に高周波成分に対しても高い絶縁能力が求められます。制御信号については,これまでにも光ファイバーなどを用いた絶縁方式がありましたが,電源回路との絶縁はいまだに変圧器を用いておりこれを通過する漏れ電流の低減が課題でした。
当研究室では,共振形ゲートドライブ回路の技術を研究してきました。これは,ゲート容量(キャパシタンス)の共振現象を活用して,理論的な損失なしに,半導体スイッチングデバイスをオン・オフする新しい回路方式です。その結果,新しいゲートドライブ回路は,レーザーダイオード(発光素子)とフォトダイオード(受光素子)が伝えられるわずかな電力だけで動作することができます。新型スイッチング素子のゲートドライブ回路として実用化されています。
開発したゲートドライバー