ソーラーパワーコンディショナとは,太陽電池で発電した直流の電力を交流に変換して,交流系統に連系するためのインバータです。 ソーラーパワーコンディショナには、日の出や雨天の弱い日射から,日中の強い日差しまで,広い動作状態で電力を高効率に変換する能力が求められます。SiC MOSFETなど最先端のパワー半導体デバイスを適用することにより,高効率なパワーコンディショナが実現可能となっていますが,これらのデバイスは依然として高価であるため,パワーコンディショナのコスト増加を招きます。
そこで本研究室では,Si MOSFETやIGBTなど従来のパワー半導体デバイスのみで高効率なパワーコンディショナを実現するために,損失を低減可能な新しい回路方式や制御法を提案しています。
ソーラーパワーコンディショナの要求に対して,一相PWM制御を適用したインバータを提案しています。一相PWM制御は,三相PWMインバータのうち,2 相は上側あるいは下側のスイッチング素子をオン状態にし,1 相のみをPWM制御することにより,系統電流を正弦波にする制御法です。従来のパワーコンディショナに一相PWM制御を適用することで,従来の三相PWM制御を適用した場合と比較して,平均スイッチング 周波数を 1/3 に減少してスイッチング損失を低減することができます。4 kWの実験システムを用いて,一相PWM制御は従来の三相PWM制御に比べてスイッチング損失を1/4に低減でき,98%以上のインバータ効率が得られることを明らかにしました。
主要な研究成果
太陽電池からの漏れ電流は,太陽電池の寿命を短くすることが知られており,トランスなどを用いて漏れ電流を抑制する対策が取られていますが,電力変換効率の低下を引き起こします。
当研究室では,チョッパ回路を組み合わせた新しい回路トポロジー Zig-Zag Connected Chopper(ZCC)変換器を開発しました。このZCC変換器は,トランスを用いることなく,漏れ電流を抑制できるだけでなく,比較的低周波のスイッチングでも,交流電流を正弦波に制御できる特長があります。その結果,研究室での試作装置では,98.2%の最高効率を実現しました。既に,この回路方式は,ヨーロッパ向けの太陽光発電用インバータに適用されています。
主要な研究成果
coming soon
主要な研究成果
coming soon
主要な研究成果
coming soon