電気的絶縁と電圧整合手段として，小型・軽量の中間周波変圧器を使用した双方向絶縁形DC-DCコンバータが注目されています。図に示す双方向絶縁形DC-DCコンバータは，スイッチング損失を大幅に低減できるZero-Voltage Switching (ZVS) 動作が可能になり，低損失なSiC-MOSFETを適用することにより高効率な電力伝送が実現できます。

　本研究では，1.2-kV, 400-A SiC-MOSFET/SBD 4-in-1モジュールを用いた850 V, 100 kW, 16 kHz 双方向絶縁形DC-DCコンバータを設計・製作し，定格100 kW時の電力変換効率（直流入力から直流出力まで）99.3%と高効率な動作を実証しました。軽負荷時の高効率化手法として電流連続モード間欠運転を提案し，10 kW（定格の10%負荷）時で変換効率99.2%を実証し，軽負荷時の高効率化を実現しました。

双方向絶縁形DC-DCコンバータの実験回路

参考文献

R. Haneda and H. Akagi, "Design and Performance of the 850-V 100-kW 16-kHz Bidirectional Isolated DC-DC Converter Using SiC-MOSFET/SBD H-Bridge Modules," in IEEE Transactions on Power Electronics, vol. 35, no. 10, pp. 10013-10025, Oct. 2020, 10.1109/TPEL.2020.2975256